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「越境することば-テロップに書かれるおネエキャラのことば」

「越境することば-テロップに書かれるおネエキャラのことば」

皆さんこんばんは、mamoです。

今日はFB招待砲誤発射事件のせいで先送りになっていた(涙)、本当は月曜に書く筈だった話を改めて書かせて頂きます。

先週金曜日夕方に、学習院大学で開催された「メディアとことば研究会」の特別講演、メルボルン大学のクレア・マリィさんの「越境することば-テロップに書かれるおネエキャラのことば」を拝聴したのですが、これがとても面白かった!

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講演は1970年台のおすぎとピーコの話から始まり、2000年代半ばからのおネエキャラブーム、そしてマツコ・デラックスと現在に至るまでの、女性言葉を操る男性(オカマであれ、ニューハーフであれ、おネエであれ)の系譜が紐解かれ、そしてその「話し言葉」がどのようにテレビにおける「テロップ表現」として進化して来たかが、凄い熱意でもってエネルギッシュに語られました。と言うか何であんなに日本語上手いんだ(驚)?!

その細かい内容については、バラエティーと言うかテレビを殆ど観ない自分には専門的過ぎて、実際のところ論評する立場にないのですが、そのおネエキャラ独特の言語センスは自分も凄いと思いましたし、しかもそれを色と書体を駆使したテロップで表現する技術の進化っぷりが凄いな~と。

ちなみに、自分が一番興味を持ったのはそこなのです。何で日本人はテロップがこんなに好きなのかな?と。クレアさんによると、こうしたテロップの使い方は日本特有と言いますし、自分の海外体験の中でも、確かに日本人の字幕好きは相当なモノです。例えば、ヨーロッパでは普通映画は吹替がデフォなんですよ。

その辺りについては、講演後の質疑応答で出た質問に対し、クレアさんは「春画でも既に絵と字の総合芸術が成り立っている」と仰ってまして、自分もははぁ…と納得です。そうか、御伽草子や絵巻物ってそもそも全部そうじゃんか、と。更に言うなら、現代の春画とも言うべきエ○ゲだって、音声があるのにわざわざ文字が付いてますよね。あ、付いているらしいです、ハイ(笑)。ちなみにこれ伝聞ですからね! ここ大事なとこですよ!!

それはさておき(笑)、日本人ってやはり「視覚」中心の民族なんですよね、きっと。昔のきらびやかな十二単から現代の洋服に至るまで、また建築や漫画、アニメーションと言った日本人が得意とする分野は、基本「視覚」に訴えるところが大なワケです。そしてそれは文章をも含んでいて当然という感覚なのでしょう。だから正確には「描画+テキスト」中心の民族と言い換えても良い。当たり前のことかもしれませんが、こうした意識を明確に持っていなかった自分にとっては、結構眼ウロコでございました。

と言うことで、自分も明後日(日付的にはもう明日か…)学習院大の学生さん達の前で「サブカルの受容」というテーマで喋るワケですが、とても楽しみでございます。大学の教壇に立つのは随分久し振りのことですし(院生時代以来です)、現代地域事情ゼミナールという、とても面白いゼミに参加しているアタマの柔らかい若い衆に色々な意見を聞くことは、自分の仕事にとってもきっと大きなプラスになると思います。

詳しくは来週月曜にご報告させて頂きますね。

刮目して待て! ←言ってみたかっただけです、ハイ…

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