コンテンツ制作会社アイ・ペアーズが発信する制作現場の裏側
社長ブログ【Vol.22】メルマガ第六回発信+ヨーロッパ出張報告

社長ブログ【Vol.22】メルマガ第六回発信+ヨーロッパ出張報告

皆様こんにちは!
アイ・ペアーズ株式会社「mamo社長」こと伊藤衛です。

本日メルマガ(アイ・ペアーズ通信Vol.6)を発信させていただきました。

前回のご報告やSNS等でご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、当方は7月31日より8月23日までヨーロッパ出張に行っておりまして、弊社からの今月のご案内に加えて、今回そのご報告もさせていただきます。

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①『ささつづAutumn』クラウドファンディングが9月1日より開始

・『ささら&つづみ Autumn ~晴れ舞台!~』クラウドファンディングページ(9/1公開)
https://readyfor.jp/projects/sasatsuduautumn/

昨年12月に行われ、大好評を博した『ささつづWinter』がスケールアップして帰って来ます!

既にSNSでは先行告知させていただいておりますが、9月1日(金)20時よりクラウドファンディングがスタートし、首尾よく達成となった場合は11月17日(金)に東京・池袋の未来型ライブ劇場「harevutai」にて開催となります。

と言いますか、今回はオールオアナッシング形式でのクラファン開催となりますので、何が何でも達成させなければいけません。

目標金額600万円を達成出来ない場合、ライブ自体が行われないという、弊社としては背水の陣を敷く形になりますが、絶対に達成するという強い意志のもとで、ライブ制作は既に始動しております。

この600万という金額には賛否両論があるでしょうが、弊社としてはこの金額では正直利益が出るわけではなく、弊社が考えている最先端のライブ映像をお届けするためのミニマムな金額と考えております。

今回の会場はあのバーチャルアイドルの聖地とも言うべきharevutaiですし、CeVIOプロジェクト様を始めとした多くの皆様のご協力のもと、弊社の技術と熱意を全て投入し、現時点で考えられる究極の3DCGライブを実現するためのお膳立ては全て整っておりますので、あとはクラファンの達成が未来を拓く最後の鍵となります。

今回のライブは海外への展開も視野に入れておりますので、日本の最先端3DCGコンテンツを世界に向けて発信して行くため、皆様のご協力を心よりお願いする次第です。

詳細につきましては、9月1日12時に予定している弊社プレスリリースと、上記のクラウドファンディングページ(20時公開予定)をご覧いただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします!!

・CeVIOプロジェクト様公式サイト
https://cevio.jp/

・harevutai様公式サイト
https://harevutai.com/

■前回のライブ映像(一部)
・【ささら&つづみ Winter】Shangri-La|ロストワンの号哭【特別無料公開】

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②海外出張報告

まず今回の長期出張の目的ですが、海外展開を見越したマーケットリサーチと弊社が使用している機材メーカーを含めた関係先の訪問という二点が第一に挙げられるかと思います。

一方で物理的な話としては、コロナ禍で溜まる一方だったANAマイルの期限延命措置が来年3月に終わってしまうため、30万マイルくらい何としても消化しなければいけなかったということが主要因となります。

何故マイルがそんなに溜まるかというと、会社の消費税を毎回カードで払っているからなのですが、それを私用に使うわけにもいかないですし、会社のために何が一番プラスになるかを考えて、マイルをスカイコインに換えて航空券を買うのが一番良かろうと思った次第です。

ということで、仕事として行かせて貰うからにはやれることを徹底的にやろうということで、22泊23日の間でドイツ、アイルランド、イギリス、オランダ、ドイツの計5ヶ国14都市を飛行機、鉄道、レンタカーを駆使して飛び回るハードな旅となりました。フランクフルト空港は何とこの短期間に7回行く羽目に…。

特に旅程の中頃、マンハイムを起点として5日連続異なる都市に泊まりながら、慣れない右側通行、しかも初めてのアウトバーンを空調の調子が悪いレンタカーで2,000kmソロ移動した時は、余りのハードさに喘息発作は起きるわ、蕁麻疹で足の甲が腫れ上がって靴が履けないわで、大変苦労しました…。

今回飛行機代が実質タダで身軽に動けるということで、やれることはやり切ったと思いますが、もう一回これをやれと言われても無理ですね…(苦笑)。しかも日本の仕事はそのまま向こうでも続けていたわけですから。

ということで、報告を進めて参ります。
ちなみに、写真は全てクリックすると大きくなります。

1.ライプツィヒ(ドイツ)
旧東独の都市部に行くのは初めてだったので、色々と新鮮でした。自分がウィーンに留学していたのは1989年から1994年にかけてで、ちょうど東西冷戦が終わった時代と重なりますし、当時を思い起こして大変感慨深かったですね…。

ライプツィヒで一番印象に残っているのは、長年行きたかったJ.S.バッハの拠点だった聖トーマス教会でしょうか。市の歴史博物館で音楽室にかかっていた肖像画の本物にも会えました(笑)。

もう一つ、ヨーロッパ最大で最も美しいと言われているライプツィヒ中央駅に日本のアニメやコミックスのグッズを売るショップがあり、大変賑わっていたのが同様に印象に残っています。

あとこれはライプツィヒではなく後に行った同じ旧東独地域のゴスラーでしたが、通りの子供服のディスプレイに飾られている子供服が全部日本のキャラクターで、漢字やカタカナが大きく使われているのに本当に驚きました。

年頃のお子さんを持つ友人たちに聞いても、金髪より黒髪の方が良かったというくらい日本のカルチャーに影響されているとのことで、この世代が大人になる10年後は日本のセルルック3DCGコンテンツは今より遥かに大きなニーズが生まれるのではないかと考えております。

2.ダブリン(アイルランド)
ライプツィヒからは空路でダブリンに入ったのですが、途中フランクフルト空港で乗り継ぎに失敗し、午前中の便が深夜便へ変更になってしまったので、その間にケルンの大聖堂を見に行ったりしておりました。

そして深夜にダブリン空港に到着したら生まれて初めて訪れたにもかかわらず、懐かしい雰囲気が…。全てが人の手による暖かさと言うか、ヨーロッパは何度も来ておりますが、こうした感覚は初めてでした。

そうしてホテルに到着してすぐダブリン名物パブのハシゴをしまして、何というか想像通りというか想像以上に「アイリッシュ」でした。深夜2時過ぎなのにどのパプにも人が一杯で、生バンドしかもロックの演奏があちこちでやっている。アイリッシュパブには食べ物はないので、みんなギネスを飲みながらひたすら話すかバンドの演奏を聴くかです。

個人的な意見ですが、自分にとってはバブル前夜80年代中頃の眠らない街六本木の雰囲気があってこれも非常に懐かしかったです。

その後二日滞在しましたが、どこにでもあるパブで演奏している音楽がブルースかロックバンドなんですよ! ちなみにリバーダンスも観たので、ちゃんとケルト音楽も押さえてあります。アイルランドの英語はとても聞き取りやすいし、正直自分はダブリンで暮らせると思いました(笑)。

というか、ロンドンまで飛行機で1時間かからないし、パンも肉もビールもウィスキーも美味いし、旧友がコーディネーターとして居るし、これはアイ・ペアーズの拠点を置くならダブリンですかね~。

3.リバプール(イギリス)
さてダブリンからはライアンエアーでリバプールに飛んだのですが、これがまた色々カルチャーショックで、面白いことが多々ありましたが、このままだとえらく長大なブログになってしまうので割愛します(SNS参照)。

リバプールは土日だったので、50年物のビートルマニアである自分の趣味に振り切って、ビートルズゆかりの名所をあちこちを観て歩きました。30年前にも一度来ているのですが、かなり変わりましたね~。一言で言うと街の発展と共に各所の観光化がかなり進みました。

マシューストリートにはビートルズ関連のショップが林立し、キャバーンクラブは深夜まで賑わってるし、ストロベリーフィールドには博物館出来てるし(驚愕)、港にはこんな格好良いブロンズ像が出来てるし!

ただ、郊外に出るとジョン、ポール、ジョージの子供時代の家やジョンとポールが出会った教会、そしてペニーレーンの佇まいなどは全く変わっておらず、時間が止まったような感覚でした。

ちなみにリバプール訛りは30年前に比べて大分聞き易くなっているのですが、これは街自体が近代化すると共にやって来たインターネットの波により、ロンドンの中央文化がかなり影響しているかもしれませんね。しかしバス車内に案内もアナウンスも何もない観光客泣かせなところは全く変わっておりませんでした(笑)。

4.ロンドン(イギリス)
ロンドンロンドン 愉快なロンドン 楽しいロンドン ロンドーンロンドン!
ということで、鉄道でリバプールライムストリート駅からロンドンユーストン駅まで、途中事故による遅延もあり3時間半ほどかけて到着したのですが、何と一等は食事やアルコールも無料なんですよ! 驚きましたね…。

ロンドンは仕事メインで、弊社もユーザーであるカメラトラッキングのStarTrackerを製造しているバーチャルプロダクション映像機器メーカーmo-sys社訪問が最終目的だったのですが、訪問日がいつになるか直前まで確定しなかったので、余裕を見て今回異例となる3泊の滞在となりました。

30年前の経験でロンドンは楽しいのをよく知っているので、敢えてそうしたとも言えますが、いずれにせよ比較的ゆっくり出来て良かったと思います。大英博物館で調べ物をしたり、アビーロードスタジオや旧アップルビルにも行きましたし、「Mamma Mia!」も遂に観れたし、ソールズベリーにも足を延ばして人生念願のストーンヘンジも観ることが出来ました。

ちなみにここストーンヘンジもビートルズの映画「HELP!」のロケ地なんですよ!
つまりこれもまた聖地巡りと言う訳です。

そしてロンドン滞在の最終日、mo-sysさんにお邪魔したのですが、社を挙げての物凄い歓待を受けました…。
エンジニアやスタッフを全員紹介して下さって、開発中のプロダクトやコンセプトも全てご紹介いただき、技術的なディスカッションもしっかり出来ましたので、これだけでも今回出張に来た甲斐があったと言うものです。

ここで得た知見は守秘義務があって残念ながらこの場で詳細を書くことは出来ないのですが、日本のmo-sys代理店である朋栄様と連携しながら、今後mo-sysとアイ・ペアーズは色々一緒にプロジェクトを進めて行くことになると思いますので、どうか楽しみにしていてください。

ちなみに弊社がバーチャルプロダクションのゲームエンジン運用を担当しているニチアサ絶賛放映中の「王様戦隊キングオージャー」でもStarTrackerを使用しており、出発前に上堀内パイロット監督にはmo-sysで色々話を聞いて来ることをお伝えしてあったのですが、当方のSNS投稿を見ては撮影現場で弊社のディレクター陣に「お宅の社長は今日も元気そうで!」と笑いながら仰っていたとのことです。

一応弁明しておきますが、自分仕事で来てますので(笑)。

5.エンスヘデー(オランダ)
そしてその後ロンドンからフランクフルトに戻り、レンタカーを借りて陸路移動週間に突入したわけですが、冒頭に書いた通り本当に大変でした…。5日連続別な都市に宿泊しながら、国境を越えて灼熱地獄の中エアコンなしで2,000kmを一人アウトバーンでぶっ飛ばすのは狂気の沙汰です。

距離的には日本を一人で縦断するようなものですし、ここで発症した喘息発作は未だ後を引いており、蕁麻疹も一向に良くなる兆候がありません。ただその大変さも、弊社が十年共に歩んで来たモーションキャプチャーシステムMVNの開発元であるMovella(旧Xsens)社の訪問で全て報われました!

到着した途端、長年の戦友であるMo君(名前初めて知りましたw)が迎えてくれまして、自分で言うのも何ですがまぁこの嬉しそうなこと…(笑)。

Movellaではmo-sys同様、滅茶苦茶歓待を受けまして、心の底から感動いたしました。死にそうになりながらようやくたどり着いた初めての国で、弊社のことや事例も良く知っているスペシャリストの皆様に仲間として迎えていただけるというのは、にわかには信じられないような素晴らしい体験でした。

こちらも詳しくはお伝え出来ないのですが、今後の開発ビジョンや現在の弊社の技術的課題へのアドバイスなど、多岐にわたるとても有意義なディスカッションを行うことが出来ました。今回の訪問に当たっては、個人的にも絶対の信頼を置いているMovella日本代理店ゼロシーセブンの池田取締役がアレンジをして下さったのですが、最後にはオンラインで池田さんも入ってラップアップを行い、意気揚々と帰りのアウトバーンを5時間飛ばしてマンハイムまで戻った次第です。

6.まとめ
今回の旅は、mo-sys社とMovella社と直接技術的な連携を取れるようにすることが目的だったのですが、実際には予想を遥かに超えるような成果を得て帰ることが出来たと思います。大変でしたが、無理を押して長期出張を敢行して本当に良かったと考えております。

なぜここまで歓迎してくれたかを自分なりに考えてみたのですが、まず最先端技術であるバーチャルプロダクションと慣性式モーションキャプチャーの両方を駆使してセルルックの高品質なリアルタイム映像作品を作ることが出来るのは、恐らく世界でも弊社以外に余り存在しないであろうことと、そうした高度な技術の話を日本語、英語、ドイツ語の3言語で各言語のネイティブ話者並みに出来る人間も恐らく世界にはそうはいないであろうことの二点に尽きるかなと思います。

つまり、世界トップの技術を持つ両社にとっても、アイ・ペアーズや自分は有用と思って貰えたということなのでしょう。であれば、その期待に応えるべく、頑張るしかありません。世界進出を本格化させないとですね!

というところで、今回の出張報告はおしまいとなりますが、今回ドイツでは他にゲッティンゲンやマンハイム、フランクフルト、ケルン等にも行っておりますし、旅の後半は我が第二の故郷であるウィーン(オーストリア)や、知人を訪ねてニュルンベルクにも立ち寄ったのですが、その辺りの全ての旅程は当方のX(旧Twitter)とFacebookで公開しておりますので、興味のある方はそちらも併せてご確認いただければ幸いです。

・伊藤SNS
https://twitter.com/mamonuts
https://www.facebook.com/mamonuts

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③9月の弊社制作ライブ告知(のようなもの)

本当はキチンとイベント名を挙げて告知を行いたいのですが、弊社がライブ制作を担当するまたは制作協力するということが現時点で公表されていないので、中途半端な内容で申し訳ありません。

まず1件目、9月下旬に京都で音声合成キャラクターとフルオーケストラのコラボコンサートがございます。

こちらはマチネとソワレの2公演がございまして、弊社はエグゼモーションと協力してキャラクターライブの映像制作及び当日の投影を担当いたします。当方もアイ・ペアーズの代表取締役及びエグゼモーション取締役として現地におります。

もしご興味のある方はコンサートの詳細をお教えしますので、こちらからお問い合わせください。本日現在でまだチケットは入手可能です。

もう一点、実は何と上記のコンサートと同じ日なのですが、大阪でとある有名アーティストの3DCGライブに制作協力としてフルオペで入ります。当方も京都が終了次第駆けつける形になります。

つまり、9月は同一日に関西で合計3件のライブがございまして、アイ・ペアーズ及びエグゼモーションの映像関連スタッフが分かれて対応することになりますが、考えただけでも今から胃が痛くなります(苦笑)。

この日は流石にキングオージャーの撮影現場には弊社から誰も入れないと思いますが、そちらも心配ではあります…。

ちなみに後者のライブは現在チケット先行受付が行われているのですが、様々な状況からプラチナチケットになることはまず間違いないので、一般販売の入手は大変難しいのではないかと思います。

その代わりニコニコで独占生配信があるようですので、本ライブに関しても詳細を知りたい方はこちらからご連絡ください。当方の個人メールやSNSメッセージでも承ります。

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④人材募集について

10月には上記関連の関東公演と某VTuberさんのライブイベントがあり、11月にはささつづAutumnとSideMさんの3デイズ、しかも前回チラッと書きましたが初日はこれまたささつづと同日という鬼スケジュールとなっておりまして、人手が全然足りていない状況です。

来月以降、新卒と中途で募集をかけようと準備しておりますが、もし皆様のお知り合いに3DCG制作に興味のある方がいらっしゃったら是非ご紹介をお願い出来れば幸いです。

中途採用は年齢性別不問ですが、3DCGに関する素養は必須となります。
新卒は2024卒と2025卒の両方募集予定です。

詳細は下記にアップされる予定です。

https://en-gage.net/i-pairs_jobs/

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今回は以上となります。
次回はささつづAutumnのクラウドファンディング進捗状況と、9月のライブ報告を中心にお送りする予定です。

ではまた!

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