リモートで歌録りのディレクションに参加してみた!〜良かった点と悪かった点〜

こんにちは!皆川です。

いよいよ在宅ワークが働き方の一つの基準になってきましたね。
弊社でも出社は必要最低限の人数に限定して、その他は基本的に在宅での勤務となっています。

ちなみに弊社で出社が必要なケースとは、収録ですね。
どうしてもアナウンスや歌の収録には、ナレーターさんやシンガーさんにスタジオに来てもらっての収録が必要となりますので、エンジニアとディレクターが収録に関わることになります。

もちろん、宅録が対応可能なシンガーさんなどには仮歌などは宅録でお願いできる可能性もありますが、やはり「高品質」となってくると最低限弊社と同等のマイク、防音室が必要になってきます。
長尺のナレーションではイントネーション、その他の指示のためディレクターがつくこともクオリティの維持に繋がります。

というわけで、今回は収録の内容的にクライアント様参加が望ましく、ご要望をリスニングしながら歌の収録を行いましたので、そのご報告と、「良かった点・悪かった点」という形でリモートディレクションについて考察したいと思います。

☑️リモート立会い・ディレクションの方法

私は今回の楽曲は作曲の部分を担当していましたので、できればディレクションに直接関わるべきでしたが、今回は同じく作曲とトラックを制作した長澤にディレクションを任せて、自分は自宅から参加するという形にしてみました。

ちなみに弊社で導入しているオンライン会議用のサービスはこちら。
https://comm.rakuten.co.jp/houjin/connectlive/

コネクト・ライブ、という楽天コミュニケーションズの提供しているサービスです。
法人向け、有料のサービスですが、こちらがホストになりリンクを送れば、特にアプリなどをダウンロードする必要がなく、参加者はスマホでもブラウザでも参加できますので大変使いやすいです。

参加者専用のアドレスを送り、時間を指定して、その時間にリンクをクリックして頂くだけです。

社内ミーティングの様子

クライアント様とのオンラインミーティングの様子

もちろんzoomやskypeでも同じような形での収録が可能だと思いますので、お客様のご都合に合わせることも可能です。
ただ、個人的には、特に企業間の案件については情報漏洩やトラブルなどのリスクをできるだけ避けたいので、有料のサービスを利用するのが良いかな、と考えています。

今回の収録のイメージはこんな感じ。

<オンライン立会い・リモートディレクションの図>

ご覧いただいている通り、【コネクト・ライブ】というオンライン上のコントロールルームにディレクター、エンジニア、クライアント、私がいて、【収録ブース】にシンガーがいる、という普段の収録と変わらない状況を作ることがポイントです。

あくまでシンガーと直接話すのはディレクターのみで、こちらはやりとりを聞いている感じです。
ただし、発言すればそれは双方向でやりとりが可能で、クライアントや私は要望をディレクターにすぐ伝えることが可能です。

☑️良かった点

◯やりとりがシンプルになる。

良かった点の一つとしては、オンラインなので無駄な時間がなく、それぞれ必要なポイントを完結に伝える、というような意識で収録に望めたことでしょうか。
どうしても収録現場にたくさんの人が来る状況になると、紹介やら挨拶やらで収録以外の時間が多く取られるケースがあります。
(ちなみに私自身はそういったコミュニケーションは好きな方ですが。)
いずれにせよ、時間はコンパクトに収められると感じました。

◯他の人の反応より、まずは自分の感じること、聴こえる音に集中できる。

今回私はディレクターのサポート的な立ち位置で、純粋にシンガーの歌い方を聴くことができました。
実は現場にいると、ついつい周りの反応やエンジニアの作業状況に気を遣ってしまい、総合的な判断を求められることがあります。
「どのように歌ったらよいか」それだけを考えらえれたということはとても良い体験でした。

◯人との接触をさけられる。

もちろん、これこそがオンラインディレクションの最大の目的ですが、現在の新型コロナの対策として、外出自粛、リモートワーク推奨、となれば、どの企業でもなるべく在宅でやりとりができた方がいいに決まっています。
この方式であれば自宅でも先方のオフィスからでも、移動などすることなく参加できますので最大のメリットと言えるでしょう。
移動時間、交通費がカットできますので良いことづくしです。

☑️悪かった点

◯同時にしゃべってしまった時に気を使い合う。

これは複数通話では当然起こりうる現象ですが、仕草や表情を読み取りづらいので、つい同じタイミングで発言してしまい、「どうぞどうぞ」でしばらくみんな無言、みたいなことがたまにあります(笑)
これは慣れの問題と、ディレクターが司会進行係としてうまく仕切ることが大切かなと思いました。

◯現場ならではの感動などは少し薄れる。

良いテイクが録れた時に、みんなで「イエーイ!」となる雰囲気、これは生ならではかな、と思います。
その感動を直接シンガーに伝えることでさらに良い雰囲気が作れる、ということもありますので、その辺りは多少ドライな感じになってしまうかもしれません。

と、無理やり書きましたが、正直どちらも慣れの部分が大きく、ある程度ドライな方が冷静な収録ができるというのはメリットでもありますので、個人的にはあまり悪い点は見つからなかったですね。

☑️お客様からの感想

今回オンライン立会い収録にご協力頂いたご担当者様から以下コメントいただきました。

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昨日は収録にご一緒させていただき誠にありがとうございました。
オンラインでのやりとりのおかげで、歌の雰囲気や相違等を都度確認でき、
大変有意義なものとなりました。
昨日の進め方で特に大きく気になった点はなく、
アーティストさんへのご要望もうまく伝えていただき、
スムーズに進めていけたと思います。
こういった形での収録はとても効果的で今後も是非取り入れていただきたいと感じました。
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なお、今回の収録楽曲はこちらのサイトで使用されます。

わたしのハイフ。

また、別件で音楽制作の打ち合わせをさせて頂いたクライアント様からは以下コメントをいただきました。

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UI(ユーザーインターフェイス)も良い感じでとても使いやすかった。
3密を避けつつ、密なやりとりができてよかったです。
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むむむ…座布団一枚!!

ご協力ありがとうございました!

☑️まとめ

レコーディング現場にお客様に立ち会っていただく最大の目的は、できるだけ完成のイメージを「アーティスト」「制作」「お客様」で共有する為にコミュニケーションをとる、ということです。

立会い収録でスムーズにいけばリテイクの心配がほとんどありません。

本来はスタジオとのスケジュール調整、移動時間、人数の制限、など考慮すべき条件が発生してしまいますが、このようにオンライン立会いができれば全てクリアすることが可能になります。地方から、海外からでももちろん可能ですね。

今後も弊社では積極的にオンラインでのミーティング、ディレクションを推奨していこうと思いますので、ぜひお気軽にご相談頂ければ幸いです。

音楽制作のお問い合わせはこちら
https://i-pairs.co.jp/service/music-production/

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